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原作よりもカッコいい!?『覚悟はいいか?オレはできてる』の英語版とは?

© LUCKY LAND COMMUNICATIONS/ 集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会
『Jojo's Bizarre Adventure: Golden Wind - Part 1』より

荒木飛呂彦さん作の『ジョジョ』シリーズの第5部である『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』。

イタリアが舞台であり、スタンド使いのマフィア同士の戦いが描かれます。

私は原作を読んでおらず、北米版のアニメBlu-rayを購入して視聴し始めました。

日本語版の声優さんももちろん素晴らしいのですが、英語の吹替版の声優さんや翻訳は、他の作品と比べても素晴らしいクオリティの仕上がりとなっているので必見の価値ありです。
(ただし英語の言い回しは上級者向けなので初心者にはおすすめできません)

「黄金の風」では色々と名言がありますが、やはり思い浮かぶのはパッショーネに所属する若きリーダー『ブルーノ・ブチャラティ』の名言『覚悟はいいか?オレはできてるです。

痺れるくらいカッコいい名言ですね。

さて、これを英語で言うとどうなるのでしょうか?

今回はこの名言の英語翻訳を、VizMediaが出版している北米版Blu-ray『Jojo’s Bizarre Adventure: Golden Wind』より紹介します。

VizMediaは集英社より公式ライセンスを受けて販売している企業なので、ご紹介するのは公式翻訳版です。

また、英語字幕と英語吹き替え音声の内容は、言い回しが異なっているため両方をご紹介します。

まずは日本語のセリフをおさらい

英語版の翻訳を見る前に、オリジナルである日本語のセリフをおさらいしておきましょう。

主人公「ジョルノ・ジョバァーナ(Giorno Giovanna)」が属するチームのリーダーである「ブルーノ・ブチャラティ(Blono Buccellati)」。彼は念願の幹部に昇格したばかりです。
彼らはボスの娘であるトリッシュを暗殺チームから守るため、フィレンツェ行きの特急列車に乗車していました。

そこで暗殺チームのスタンド使い「プロシュート」と「ペッシ」から奇襲を受け、窮地に立たされます。
相手を直接掴むことで急激に老化させることができる能力を持つプロシュートは、ついにブチャラティを掴みます。
しかし、絶体絶命のピンチの中でブチャラティはこう言うのです。

ブチャラティ
ブチャラティ
捕まえられるのも覚悟の上だ。

任務は遂行する。部下も守る。

「両方」やらなくっちゃあならないってのが「幹部」のつらいところだな。

覚悟はいいか?オレはできてる。

ブチャラティは自身のスタンド能力によって、列車にジッパーを作り、自分もろともプロシュートを列車から突き落とすことで、任務を遂行し、部下を守ろうとするのでした。

英語字幕版の翻訳

まずは英語字幕版の翻訳について見てみましょう。

英語の下の日本語訳は私の意訳です。
原文のセリフと比較する際は、上に記したセリフと比べてください。

ブチャラティ
ブチャラティ
I also knew I could be captured at any moment.
今にも捕まえられることも承知の上だ。

I will carry out my mission. I will protect my crew.
任務は遂行する。部下も守る。

A capo must be prepared for both… It’s the burden of responsibility.
幹部は両方する覚悟ができていなければならない…それが責任の重さだ。

Can you take the challenge?
挑戦することができるか?

I’ve never been more ready.
オレは準備万端だ。

at any moment
いつ何時、今にも

carry out 〜
〜を成し遂げる、〜を実行する

capo
[名詞](元はイタリア語で)マフィアの支所の代表

burden
[名詞] 重荷、負担

responsibility
[名詞] 責任、責務

英語字幕では「覚悟はいいか?」がCan you take the challenge?となっています。
「覚悟はいいか?」を普通に訳すなら、Are you prepared?とかになると思います。
しかし、それだと何に対しての覚悟かよく分かりません。
英語の文章は曖昧になることを嫌いになる傾向があるため「挑戦することができるか?」と具体的な事柄にすることによって、相手の覚悟を問うているのだと思います。

「オレはできてる」は I’ve never been more ready.となっています。
have never been more readyという表現ですが、直訳すると「これ以上に支度が整ったことはかつてない」という意味です。つまり、最高の決意や準備が整ったという状態です。
これが転じて「やる気満々である」「準備万端である」という意味になります。

英語吹き替え版の翻訳

次は英語吹き替え版からの紹介です。

英語吹き替え版の文章は、翻訳したセリフの長さを映像の長さに合わせる必要があるため、原作と言い回しが異なることが多くあります。

特にジョジョでは、それが顕著です。しかし、その言い回しが時に原作以上にカッコよくなっているものも多いので、翻訳者の腕が良いということです。

ブチャラティ
ブチャラティ
I was also well aware that I could be captured,
捕まえられることも気づいていた。

but a mission must be completed, and I’ll protect my crew.
しかし任務は遂行せねばならないし、部下も守る。

Capos worth their salt must be prepared for both.
有能な幹部は両方の覚悟ができていなければならない。

That is the burden we all carry.
それがオレたちが背負う重荷だ。

Can you say the same?
お前は同じことが言えるか?

‘Cause I’m raring to go.
オレはもう行きたくて待ちきれないから。

worth one’s salt
有能な、役に立つ

raring to go
待ちきれない、行きたくてうずうずしている

ジョジョの吹き替え版の特徴として、作品舞台を考慮してイタリア語の単語が多く使われているということです。
capoもその一例で、イタリア語でマフィア組織のリーダーのことを指します。

『「両方」やらなくっちゃあならないってのが「幹部」のつらいところだな』の部分はCapos worth their salt must be prepared for both.と訳されています。
worth one’s salt「有能な」「役に立つ」という意味になります。
これは昔、給料が塩で支払われていたため、「給料に見合う分の価値がある」という意味が転じてこのような意味となったようです。
やや文学的な表現になっているのがセンスの高さを感じられます。

「覚悟はいいか?」の部分はCan you say the same?となっています。
ブチャラティの幹部としての覚悟は、「任務を遂行することと部下を守ること、両方達成すること」。それが「お前も同じことが言えるか?」と訊くことによって、相手の覚悟を問うているのです。
これもまた作品の文脈を理解したナイスな翻訳です。

「オレはできてる」の部分は‘Cause I’m raring to go.と訳されています。
raringというのは「しきりに〜したがっている」「ウズウズしている」という状態を指します。
raring to goとすることで「行きたくてウズウズしている」「行きたくて待ちきれない」という意味になります。

任務を遂行し部下も守る、それを行動に起こすために今まさに一緒に列車から落ちようとしている。それをI’m raring to go.と表現し、ブチャラティの覚悟を表しています。

これはなかなか文章では伝わらないのですが、英語で聞くとめちゃくちゃかっこいいんです。
是非実際の音声を聞いてみてほしいです。

いかがでしたか?

公式の翻訳だけでも色々な翻訳の仕方があることをお分かりいただけたかと思います。
文脈を理解しつつ、映像の時間に合わせてまとめる。
翻訳者の苦労は大変なものだと思います。

こういった翻訳の大変さと面白さに思いを馳せながら視聴するのも楽しいものです。

是非、英語版でご覧になってみてください。

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