『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』の中で赤木リツコが「蛇の道は蛇ね」と言うシーンがあります。
「蛇の道は蛇」の意味は辞書によると下記のようになります。
さて、英語版ではこのことわざはどのように訳されているのでしょうか?
実際のシーンをもとに紹介し、その語源と色々な表現に関しても紹介してみます。
“エヴァンゲリオン” ©カラー ©カラー/Project Eva. ©カラー/EVA製作委員会
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実際のシーンで確認
ヤシマ作戦に関してミサトとリツコが話しているシーンです。
リツコはミサトの無茶な作戦に対し戦略自衛隊が陽電子砲の貸し出し許可を与えてくれたことに驚いています。
規格外の攻撃をしかけてくる使徒ラミエルに対抗するには、正攻法では対処することができない。
リツコは無茶な作戦を考えつくミサトが適任だと考え「蛇の道は蛇ね」と発言します。
※英語吹き替え音声より。日本語訳は意訳。
国連軍は良いとして、あなたが内務の戦略自衛隊をこの作戦に対して説得することができたのには驚いたわ
彼らは私に借りがあるのよ
『蛇の道は蛇』ね
UN Forces
国連軍
A be one thing but B be 〜
Aはいいとして、Bは〜だ
※2つの事柄があり、一方をより強調させたい時に使用する。
Aに対しBはより難しい、より重要であるということ
詳しくは下記リンクを参照
https://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/be-one-thing
talk someone into 〜
(誰かを)〜するように説得する
SSDF = Strategic Self Defense Force
戦略自衛隊
Internal Affairs
内政、内情
owe someone favors
(人に)借りがある
解説
『蛇の道は蛇』は英語版では‘Set a fox to catch a fox’と訳されていました。
直訳すると「狐を捕まえるために狐を放つ」です。
『蛇の道は蛇』の意味が「同類のすることは、その方面の者にはすぐわかる」ということなので、似たようなニュアンスとなっていますね。
さて、この’Set a fox to catch a fox’の語源ですが、googleで調べてみるとそれらしいものが見当たりませんでした。
代わりに‘Set a thief to catch a thief’という表現が多く見つかり、こちらは語源も載っていました。
以下、こちらのサイトより引用。
この’Set a thief to catch a thief’はかなり古代から使われていた可能性があるため、この表現の別バージョンが’Set a fox to catch a fox’なのかなと考えています。
その他の表現
上記で見たとおり『蛇の道は蛇』の翻訳には複数あるようです。
日本語でも『蛇の道は蛇』の類語として『悪魔は悪魔を知る』『馬は馬方』『海の事は漁師に問え』『餅は餅屋』などがあるのと同じことですね。
言い方は異なりますが意味としては同じになります。
An old poacher makes the best gamekeeper.
年老いた密猟者は最も優れた狩猟番となる。
The wolf knows what the ill beast thinks.
狼は悪い獣の考えをよく知っている。
Those who hide can find.
隠し癖のある者が物を発見できる。
日本語のことわざの英訳を考えると、ほとんど必ず英語でも同じようなことわざがあるので面白いです。
人類が生活の中で導き出す知恵というのは場所や文化が違えど普遍的なものなのでしょうね。
他にも日本語のことわざの英訳を紹介している記事がありますので、興味がある方はご覧になってみてください。
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