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【驚愕】ナックルの念能力の英語名が想像の斜め上だが勉強になった話

©POT(冨樫義博)1998年-2011年 ©VAP・日本テレビ・集英社・マッドハウス
『ハンターxハンター25巻』より

ハンターハンターのキメラアント編に登場するキャラクター、ナックル=バイン

彼の非常にユニークな念能力は『天上不知唯我独損(ハコワレ)』と言います。

さて、私は英語版のハンターハンターのアニメを視聴していたのですが、彼の能力の英語名を聞いた時、あまりの予想外の翻訳に全く意味が分かりませんでした。

しかし、なぜそのような翻訳になっているのか知った時「なるほど、洒落ているな」と感じました。

今回はそんなナックルの念能力の英語名に関して解説してみます。

ナックルの念能力とは?

まずはナックルの念能力に関して簡単におさらいしておきます。

ナックルの念能力は『天上不知唯我独損』と書いて『ハコワレ』と呼びます。

相手に対して念による打撃を当てることで発動します。
発動中にナックルが相手に念攻撃を当てると、その時の力の分だけ相手にオーラを貸す=力を与えることになります。また、相手がナックルに対して念攻撃を当てることによって、相手は貸し付けられたオーラを返すことができます。
このオーラの貸し借りの間は、ナックルと相手の間にオーラの移動があるのみで、両者共にダメージがない状態になります。

ナックルが最初に念による打撃を当てて能力が発動すると、相手に『ポットクリン』というマスコットがまとわりつきます。
ポットクリンにはナックルが貸し付けたオーラ量を数値化するカウンターがついており、貸した分の利息(10秒につき1割)をカウントする役割があります。要はオーラをお金と見立てて、借金=貸しているオーラに対して利息がつくのです。

利息分を含めた、ナックルの貸し付けたオーラ量が「相手のオーラ絶対量」を超えると「破産」し、ポットクリンが「トリタテン」に変身。1ヶ月の間相手を強制的に「絶」状態にし、一切の念能力を制限します。

さて、能力名に関してですが『天上不知唯我独損』は、仏教に出てくる『天上天下唯我独尊』とかけたものです。
色々と解釈はあるでしょうが「自分の借金に関して天は知らない」という意味や「いつ破産するか、天井は分からない」というような意味が込められているように思います。

また『ハコワレ』という呼び名は、麻雀用語で自分の持ち点が0以下になることを意味しています。これを破産の状態とかけてつけたのでしょう。

ナックルの念能力の英語名とは?

それではナックルの念能力の英語名を見てみましょう。

アニメ『ハンターxハンター』の正式なライセンスを受けて北米版を放映しているViz Mediaでは、以下のように翻訳されています。

Hakoware: Bankruptcy, Chapter 7!

©POT(冨樫義博)1998年-2011年 ©VAP・日本テレビ・集英社・マッドハウス
『Hunter x Hunter Set 6』より引用

みなさん「???」となったのではないでしょうか(笑)

Hakowareはそのままだとして「Bankruptcy, Chapter 7」って一体何なのでしょうか?

由来は『連邦破産法第7章』から来ている

それでは由来について解説していきます。

まず、bankruptcyという単語ですが名詞で「倒産」「破産」を意味します。
「倒産する」はgo into bankruptcyと表現することができます。

さて、Chapter 7とは一体?

実はこれ、アメリカの『連邦破産法第7章』を意味する『Chapter 7 Bankruptcy』が由来となっているのです。

連邦破産法第7章とは、日本で言う倒産法に相当するもので、法人や個人の清算型倒産処理手続きを規定するものです。

連邦破産法は倒産処理の形態によっていくつかの章で構成されているのですが、特に重要となるのが第7章(Chapter 7)と第11章(Chapter 11)です。

Chapter 7は「清算(Liquidation)」を前提とした手続きで、Chapter 11は「再生(Reorganization)」を前提とした手続きです。

Chapter 11が申請された場合は、倒産手続き完了後に事業を継続する意思があるということで、うまくいけば会社は存続できることになります。日本の民事再生法のモデルとなったそうです。

しかしChapter 7が申請された場合は、裁判所の監督の下で管財人が債務者(借金している人)の財産を現金化し、各債権者(お金を貸した人)に配分します。法人の場合、普通はその後に解散されます。

つまりChapter 7が申請されということは、再生の見込みがなく、強制的に清算の状態に移るということなのです。

ナックルの念能力は、「貸し付けたオーラ」が「相手の絶対オーラ量」を超えると、相手を強制的に絶状態にするというものですが、まさしくこのChapter 7による清算状態を彷彿とさせるものであるため名付けられたようです。

すごく知的でおしゃれな翻訳ではないでしょうか。

その他ナックルの念能力の英語表記について

ナックルの念能力に出てくるその他用語の英語表記についても紹介しておきます。

ポットクリン=A.P.R(Amortizing Power Redirector)

英語版ではポットクリンA.P.Rと呼ばれています。ポットクリンという言葉は全く出てきません。

amortizeは動詞で「借金を分割返済する」という意味です。
redirectorは名詞で「方向を変えるもの」という意味です。

つまりA.P.R(Amortizing Power Redirector)で「オーラの力の分割返済の方向を変えるもの」という意味になっています。

ちなみにポットクリンが10秒ごとに知らせる「時間です。利息が付きます。」という言葉は、「It’s time, adding interest.」となっています。
interestは名詞で「利子」「利息」「金利」を意味します。

トリタテン I.R.S(Individual Ren Suppressor)

トリタテンI.R.Sと呼ばれています。

Individualは形容詞で「個人の」という意味です。
Suppressorは名詞で「抑圧する人」という意味です。

つまりI.R.S(Individual Ren Suppressor)で「個人の“練”を抑圧する人」という意味になっています。

ちなみに念の四大行の一つである「絶」ですが、英語版ではそのまま「Zetsu」と呼ばれることが多いのですが、最初の紹介では「Suppress(抑圧する)」と解説されていました。
絶状態にすることを英語版ではSuppressと捉えているので、ここでも「絶状態にさせる人」はこれを踏襲してSuppressorとして翻訳しているのでしょう。

念能力の英語表記に関する解説は下記の記事で詳しく書いているのでご覧になってみてください。

【徹底解説】念能力・オーラ・強化系などの系統を英語で説明すると?―ハンターハンターハンターハンターにおいて非常に重要な要素である「念能力」。 生命エネルギーである「オーラ」を自在に操ることで、いわゆる超能力を使う...

またその他の念能力名やキャラクター名の英語標記は下記の記事で紹介しています。

【解説付き】英語版のハンターハンターの念能力名/キャラ名は?【キメラアント編】ハンターハンターに登場する「念能力」。オーラと呼ばれる生命エネルギーを自在に操り、超能力を発揮することができます。 そんな念能力で...