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【ジョジョ】英語で「こいつにはやると言ったらやる『スゴ味』があるッ!」は?

『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』。
イタリアを舞台に繰り広げられる、スタンド使いのマフィアたちの物語です。

ジョジョシリーズではその独特な言い回しから生まれる名言が数多く登場しますが、「黄金の風」でも数多くの名言が登場しますね。

中でも主人公ジョルノ・ジョバーナが所属するチームの若きリーダー『ブローノ・ブチャラティ』はその生き様を反映した多くの名言を残しています。

さて、その中の1つに

「こいつにはやると言ったらやる………『スゴ味』があるッ!」

がありますね。

独特な言い回しで妙な力強さがあると同時に、汎用性も高いことからインターネット界隈ではミームのような使い方がされることも少なくありません。

今回はこの名言の英語翻訳版を、アニメ北米版の英語字幕版より紹介してみます。

まずは日本語セリフを確認

まずは原文である日本語セリフと、その背景をおさらいしておきましょう。

ジョルノに因縁をつけてきた「涙目のルカ」を不可抗力的に瀕死の状態に追いやってしまったジョルノ。
実はルカはイタリアのギャング組織「パッショーネ」の一人でした。

ジョルノがケーブルカーに乗っていると、同じくパッショーネに所属する「ブローノ・ブチャラティ」がルカを倒した犯人探しのために乗り込んできます。
ブチャラティはスタンド能力を使い、ジョルノから手荒く情報を引き出そうとします。

始めは圧倒されていたジョルノでしたが、自分の身を守るために戦うことを決意し、目覚めて間もないスタンド能力を駆使して戦い、ブチャラティを圧倒するのでした。

ジョルノ
ジョルノ
あなた…『覚悟して来てる人』……ですよね。

人を「始末」しようとするって事は
逆に「始末」されるかもしれないという危険を
常に『覚悟して来ている人』ってわけですよね…

ブチャラティ
ブチャラティ
こいつ…オレを殺る気だ
『マジ』だ……

小僧のくせに
このオレを始末しようとしている……

こいつにはやると言ったらやる………
『スゴ味』があるッ!

つい先程まではブチャラティの圧倒的な優勢で主導権を握り、ジョルノの命を脅かしていたはずが、一瞬で主導権を奪われてしまいます。
それが、落ち着きを払って理路整然と正論を述べ、相手に恐怖を与えていくさまが只者ではありません。

ブチャラティでなくともジョルノの『スゴ味』を感じざるを得ません。

ジョルノのセリフと併せて、ジョルノの底しれぬポテンシャルを描写する圧倒的名言となっています。

英語版のセリフを紹介

それでは英語版のセリフを紹介します。
翻訳は英語字幕版のセリフからです。

北米版のアニメでは
①英語吹き替え音声②英語字幕
の2種類の翻訳があることが多いのですが、英語字幕のほうが原文に忠実な翻訳である場合が多いのです。

なので今回は英語字幕版の翻訳をご紹介します。

※上から、

英語字幕
意訳
(原文セリフ)

の順に記載しています。

ジョルノ
ジョルノ
You came here prepared, didn’t you?
あなたは覚悟してきた、そうですよね?
(あなた…『覚悟して来てる人』……ですよね)

Anyone on the verge of ending another’s life, must always be prepared for the chance that the executor could end up being executed, no?
他人の命を終わらせようとしている人は、常に処刑人が処刑される可能性も覚悟していなければならないですよね?
(人を「始末」しようとするって事は、逆に「始末」されるかもしれないという危険を、常に『覚悟して来ている人』ってわけですよね…)

ブチャラティ
ブチャラティ
He wants to kill me… This isn’t a bluff!
こいつは俺を殺したがっている…ハッタリじゃない!
(こいつ…オレを殺る気だ、『マジ』だ……)

This punk is actually prepared to kill me!
この小僧は俺を殺そうと覚悟を決めている!
(小僧のくせに、このオレを始末しようとしている……)

He has a savage side… He’s crazy enough he might just do it!
こいつには獰猛な面があり…本当にやりかねないクレイジーさがある!
(こいつにはやると言ったらやる『スゴ味』があるッ!)

prepared
(prepareの過去形・過去分詞形)
[形容詞] 覚悟ができている、準備ができている

on the verge of 〜
今にも〜しようとしている

executor
[名詞] 執行者

executed
(executeの過去形・過去分詞形)
[動詞] 処刑される、執行される

bluff
[名詞] はったり、虚勢

punk
[名詞] 小僧、若造

savage
[形容詞] 残忍な、獰猛な

上記のように「こいつにはやると言ったらやる『スゴ味』があるッ!」の部分は「He has a savage side… He’s crazy enough he might just do it!」と翻訳されていますね。

英語翻訳の方を意訳すると「こいつには獰猛な面があり…本当にやりかねないクレイジーさがある!」のようになるかなと思います。

ここでポイントとなる表現が「 be crazy enough ~」です。
直訳的に言うと「~するのに十分なほどクレイジーだ」ですが、もっと意訳的に言うと「本気で~しようとしているほどクレイジー」とか「本当に~しそうなくらいクレイジー」のような捉え方でいいと思います。

crazyというと「狂っている」「常軌を逸している」という意味が浮かんできて、なにかネガティブな感じがしますね。
しかしcrazyには「熱中している」「夢中になっている」という意味もあるので、必ずしもネガティブな意味合いになるわけではありません。
(ただし、今回のブチャラティのセリフでは「正気じゃない」のような意味合いで使っているとは思いますが)

この表現を使ったある名言を紹介します。
世界的コンピューター企業の創業者スティーブ・ジョブズの言葉です。

Because the people who are crazy enough to think they can change the world are the one who do.
本気で世界を変えられると思っているようなクレイジーな人々こそがそれを実現することができる。

ブチャラティのセリフに戻りましょう。

原文のセリフにある「スゴ味」という言葉を、英語翻訳版では2つに分けて伝えているように思います。
まずは「He has a savage side = 彼には獰猛な面がある」と表現し、ジョルノの表面的な好青年の姿の裏に潜む攻撃性を示しています。

その後に「He’s crazy enough he might just do it! = 本当にやりかねないクレイジーさがある!」とcrazyという単語を使って表現しています。
ここでいうcrazyは上述したとおり、「常軌を逸している」とか「ネジが外れている」のような意味合いで使っていると思います。

そもそも「スゴ味」という言葉ですが、辞書によると「ぞっとするほどの恐ろしさ、気味悪さ」という意味があるそうです。
これを直訳的に表現するなら
dreadfulness = 恐ろしさ
grimness = 恐ろしさ、厳格さ
のようになるのでしょうが、これらの単語を使って翻訳してもいまいちピンとこない台詞になるでしょう。

そういう意味では今回紹介した翻訳は、作品の文脈を理解した適切な翻訳になっているとは思います。

ただし、個人的には今回のセリフの場合は、やはり日本語のセリフのほうが緊迫感がありガツンとくる感じがしますね!

当サイトでは他にも以下のようなジョジョ作品に登場する名言の英語版を紹介しています。
是非ご覧になってみてください!

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