英語圏で生活していると、日本人の我々は時に驚くような表現に出くわすことがあります。
その中の1つが「You are a doll.」という表現でしょう。
もしかしてめっちゃ侮辱されてる…?)
直訳すると「あなたは人形ね」となるので、侮辱と思い込んでしまうかもしれません。
しかし、実は感謝や愛情を表す表現なのです。
この表現が使われているアニメ英語版のシーンをご紹介します。
また、実際に使う際には、あることに注意しないと大変な誤解を生む場合がありますので、併せてご紹介します。
実例をもとに紹介
アニメ「Steins;Gate」第12話からです。
紅莉栖が食器を洗っている際に、まゆりが手伝うために声をかけます。
※英語吹き替え音声より。日本語訳は意訳。
あ、私にも手伝わせて。
ありがとうね。
Actually, if you wouldn’t mind making some tea, that would be great.
でももし良ければお茶を淹れてくれる方がありがたいんだけど。
いいよ。
優しいわね。
if you wouldn’t mind ~
もし良かったら、差し支えなければ
※何かを頼むときのかなり丁寧な表現
このように「You are a doll.」という表現は感謝や愛情を表す際に使われます。
日本語で言うなら「優しいのね」「親切ね」「助かるわ」「どうもありがとう」のような感じが近いでしょうか。
「doll」という単語ですが、もちろん「人形」という意味があります。
しかし、実は特にアメリカでは「寛大な人や思いやりのある人」という意味もあります。
a generous or considerate person.
Oxford Languagesより
男性が女性に使うのは避けたほうが無難!
前述したように「You’re a doll.」という表現は、感謝や愛情を表現するフレーズです。
女性が女性に対して使うのは、前述の英語翻訳でも使われていることから分かる通り、普通に使われる表現です。
しかし、もしあなたが男性で、女性にこのフレーズを使おうと思っているならやめたほうが良いでしょう。
男性が女性に対してdollと呼ぶと、多くの女性は性的なニュアンスが含まれていると考えます。
「doll」には「寛大な人や思いやりのある人」という意味があると前述しましたが、同時に「魅力的な若い女性」という意味もあるからです。
an attractive young woman.
Oxford Languagesより
男性がが何の他意を抱いていないにしろ、女性は男性が言った相手に好意を抱いている、もしくは気があってデートに誘いたいと捉えられることもあります。
ジェンダーレスな社会において、性別によってフレーズの意図が変わってくるのは世間の流れに反しているような気がしますが、多くの女性がそう捉えてしまうのは事実です。
(これは裏を返せば、あなたが女性で英語圏の男性から「You are a doll.」と言われたときには、逆に他意があることを疑ったほうが良いかも知れません。)
では、女性が男性に対して使うのは?男性が男性に対して使うのはどうでしょうか?
この辺は非常に微妙な問題なのですが、私がネット上の色々な意見を参考にしたところ、日常生活において使われることはほぼないと考えて良さそうです。
気心の知れた、非常に親しい家族や友人間では、極まれに使われることもあるようです。
しかしながら、言葉は時代とともに移り変わるものではありますから、この表現も時代とともに使われ方が変わってくるかも知れません。