「もし自分があなたの立場だったら…」と言いたい時には、英語で If I were in your shoes… と表現することができます。
今回はこの表現が出てくる英語版「ハンターハンター」100話より、実際のシーンを紹介してみます。
実際の会話の流れでの使い方を見ることにより、より理解しやすく、記憶に残るはずです。
さっそく確認してみましょう!
実際のシーンで確認
キメラアント編の中盤あたりのシーンです。
キメラアントであるメレオロンは、気付かれないようにキルアとゴンの跡をつけて観察していました。その後、キルアとゴンは別れ、メレオロンはゴンの跡をつけていきますが、ついには自分から姿を現します。
メレオロンは、自分の目的はゴンを倒すことではなく、信頼を得てパートナーとなることだと語ります。
もちろんゴンはすぐには信用しませんでしたが……?
※英語吹き替え音声より。日本語訳は意訳。
分かったぞ。それでキルアより俺を選んだんだな。
You thought I’d put up less of a fight, didn’t you!?
俺のほうが戦うのに手こずらないと思ったんだろ!?
待ってくれ!お前は誤解してるよ!
Is that how it sounded?
そんなふうに聞こえたか?
Okay, that makes sense. I mean, I know what I’d look like.
そりゃそうだよな。俺がどんなふうに見えているかは分かっているよ。
You think I’m an enemy.
お前俺を敵だと思ってるんだよな。
Guess I should have been more clear about that.
まずそこの誤解を解かなきゃな。
Listen, I swear I’m not lying.
いいか、俺は誓って嘘はついてねぇ。
I’m not looking to trick or defeat you! Okay? Promise!
俺はお前を騙したり倒そうってつもりもねぇ!いいか?約束する!
分かった。信じる。
分かってるよ。理解するのは難しいだろう。俺を信じてくれ!
I mean if I were in your shoes, I wouldn’t… Eh!?
もし俺がお前の立場だったら、俺も…えっ!?
pick A over B
BではなくAを選ぶ
put up a fight
戦う
※ put up less of a fight
さほど戦わない=(戦うのに)手こずらない
make sense
当然である、うなづける、辻褄が合う
be looking to do
〜しようと考えている
take in
理解する
解説
このように If I were in your shoes で、「もし自分があなたの立場だったら」という意味になります。
直訳すると「もし私があなたの靴にいたら」ですが、「あなたの靴にいる=あなたの立場にいる」として表現しています。
非常にわかりやすい表現ですよね。
shoes部分はspotやpositionを意味しているため、shoesの部分をこれらの単語で置き換えても使うことができます。(If I were in your position)
上記シーンでは、メレオロンの予想と裏腹にすぐに信用したゴンに驚いたために、途中で言葉をつまらせていますが、普通は「もし自分があなたの立場だったら、〜(する)だろう」のように単独では使わずにその後に文が続きます。
ところで、この表現を聞いて違和感を抱いた方がいるかもしれません。
普通、Iの後ろにはbe動詞ならamやwasが来るはずです。
しかしここでは、I wereとなっていますね。
実はこれは文法的には「仮定法過去」というものになり、I wereで正解なのです。
仮定法過去とは、現在の事実と反する仮定を述べる際に用いられる表現で、「もし〜だったら…なのに」という、まさに今回の「もし私があなたの立場にいたら、…なのに」という場合のことです。
さらに、「…なのに」というところは「主語+助動詞の過去形+動詞の原形」という形になります。
仮定法過去
(If + 主語 + 動詞の過去形,)主語 + 助動詞の過去形 + 動詞の原形.
もし〜だったら…なのに
仮定法についての解説は、下記の記事も参考にしてみてください。
例文で確認しておきましょう。
例.
If I were in your shoes, I would start worrying.
もし私があなたの立場だったら、心配し始めるだろうね。
I would do the same if I were in your shoes.
もし私があなたの立場だったら、同じことをするだろう。
日常生活でよく使われるのは…
さて、If I were in your shoes という表現はハンターハンターのセリフで使われていることから分かる通り、実際にも使うことができるのですが、やや大げさな言い回しでもあります。
日常会話では、もっとシンプルな表現で、If I were you, … =「もし私があなただったら、…」とすることが多いかもしれません。
どちらも覚えておいて、ここぞという強調したいときには If I were in your shoes の方を使うなどして使い分けてみると英語上級者っぽいでしょうね。
いかがでしたか?
「もし私があなたの立場だったら」という表現は、日常会話でもビジネスでも意外と使い所の多い表現かもしれません。
ぜひ覚えておいてとっさに使えるようにしておきましょう!