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仮定法過去完了の表現 who would have guessed 「夢にも思わなかった」ー鬼滅の刃14話

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
『Demon Slayer: Kimetsu No Yaiba – Part 2』より引用

北米版 鬼滅の刃 「Demon Slayer」14話より

「夢にも思わなかった」「まさか〜だとは思わなかった」と英語で言いたい時、どう言えば良いでしょうか?

過去形だし、実際には起こっていないことだから仮定法だろうし…ということでなんとなく難しそうな表現だということは分かりますね。

そういった時は、実際に出てきたアニメでのセリフを丸々覚えてものにしてしまいましょう。

今回は「夢にも思わなかった」という表現が出てくる、アニメ鬼滅の刃の北米版である「Demon Slayer」第14話の英語吹き替え音声から紹介してみます。

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable


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実際のセリフで確認

場面は炭治郎たちが藤の花の家紋の家で、医師に診察された後に寝床についているところです。

炭治郎たちは、自分たちがまさか全員ともあばら骨を折っているような大怪我をしているとは思ってもいませんでした。

善逸
善逸
Who would have guessed that all three of us had broken ribs?
まさか3人ともアバラの骨が折れているとは夢にも思わなかったな。
伊之助
伊之助
This bump, though, hurts a lot more.
それよりこのコブのほうが痛いけどな。
炭治郎
炭治郎
Sorry.
ごめん。

Who would have guessed that all three of us had broken ribs?

まさか3人ともアバラの骨が折れているとは夢にも思わなかったな。

who would have guessed 〜 (who would’ve guessed 〜)

〜だとは夢にも思わなかった、誰が〜だと予想できただろうか

rib
あばら骨

bump
こぶ、(道路などの)段差

まずは仮定法についておさらい

「〜だとは夢にも思わなかった」と言いたいときには、Who would have guessed 〜?と表現します。

このような表現は、文法的には仮定法過去完了と呼ばれます。名前からして難しいですよね(汗)

まずは仮定法について簡単におさらいしておきましょう。

仮定法とは、総じて、実際の事実とは異なる仮定を述べる時に使われる文法です。

仮定法には主につぎのようなものがあります。

仮定法未来
もし〜するようなことがあれば…するだろう、もし〜するようなことがあれば…してください現在・未来において起こりそうなことや起こりそうもないことを仮定

仮定法現在
※仮定法の中でもちょっと特殊
提案や要求をする英文のthat節で、常に動詞の原形を使う表現現在や未来についての不確実なことを仮定

仮定法過去
(もし〜なら)…なのに現在の事実に反する仮定

仮定法過去完了
(もし〜だったら)…だったのに過去に事実に反する仮定

仮定法未来

未来において起こりそうなこと仮定する、または起こりそうもないことを仮定する場合には、仮定法未来を使います。

ニュアンスとしては、「もし〜するようなことがあれば、…するだろう」「もし〜するようなことがあれば、…してください」というような感じになります。
未来のことを話しているし、仮定の話をしていますよね?

仮定法未来には2つの用法パターンがあります。
if節においてshouldを使うパターンと、were toを使うパターンです。

If 主語 should 動詞の原形, 主語 would 動詞の原形/もしくは命令文
もし万が一~だったら、…します/…しなさい

if節でのshouldは「〜すべきだ」の意味ではなく、「万が一〜ならば」という仮定を意味する用法で使われています。
shouldにはこのような用法もあることを覚えておきましょう。

また命令文となる場合には、(命令文のため必然的に)動詞は原形となることに注意してください。

例.
If I should fail, I would try again. 万が一失敗したら、もう一度試してみるよ。

If you should have any questions, just let me know. もし何か質問があれば、私に教えて。

If you should need some help, please ask them. もしお困りでしたら、彼らにお問い合わせください。

If 主語 were to 動詞の原形, 主語 would(could, might, should) 動詞の原形
もし~したら、…するだろう

注意点としてはif節のwereは主語がどんな形であれ、wereとなります。

例.
If she were to come here, I would tell her everything. もし彼女がここに来るようなことがあれば、全て彼女に話すよ。

If you were to become a movie star, what movie would you appear in? もし映画スターになるようなことがあれば、何の映画に出演しますか?

上の例の1つ目では、she wereとなっています。

本来であればshe wasとなりそうですが、仮定法未来ではshe wereで正解です。

これはそういうものだと理解しておきましょう。

仮定法現在

仮定法現在とは、提案や要求をする英文のthatを使った文章(that節)で、常に動詞の原形を使う表現のことです。
現在や未来の不確実なことを述べる際に用いられます。

主語 提案や要求をする動詞 that 主語 (should) 動詞の原形
〜となるように提案・要求する、〜すべきだと提案・要求する

提案や要求をする動詞の例
advise(忠告する), ask(頼む), require(要求する), suggest(提案する), recommend(勧める), insist(主張する)…
※文自体が提案や要求や必要の場合であれば良いので、必ずしもこれらの動詞が使われる状況とは限らない

that以下のshouldは省略することができます。

ちょっと分かりにくいので例文で確認してみましょう。

例.
My mother insists that my sister (should) go to the university. 私の母は姉は大学に行くべきだと主張した。

He advised that I (should) be more serious about it. 彼は私はそれについてもっと真剣であるように忠告した。

Are you demanding that I (should) be fired? あなたは私がクビになるように要求しているんですか?

I suggest that we (should) not jump to conclusions. 我々は結論を急ぎすぎないようにすべきだと提案します。

1つ目の例で言いますと、姉はまだ大学には行っていませんが、行くという不確実な事実を仮定しています。
つまり、that以下の文章は話し手の心のなかで想定された(仮定された)事実なのです。

このような場合に仮定法現在の形が使われます。

また、shouldは省略することができますので、例えば3番めの文章はこのように書くこともできるのです。

Are you demanding that I be fired?

文法が間違っているように思いますが、不思議とこれは間違っていないんですね。

shouldは省略しても良いですが、動詞は原形のままということを覚えておきましょう。

また、文章において提案や要求の動詞が使われていなかったとしても、文自体が提案や要求や必要を表していれば、仮定法現在の形となり得ます。

例で確認してみましょう。

例.
It is necessary that this old bridge (should) be rebuilt. この古い橋は作り直す必要がある。

It is important that we (should) pull together. 私達が力を合わせることが重要だ。

基本は先程と同じで、that以下の文章は、話し手の心のなかで仮定された不確実な事実です。

このような場合にもthat以下の文章の動詞は原形となることを覚えておきましょう。

仮定法過去

今の状況で、現在の事実と反する仮定を述べる際には、仮定法過去を使います。
ニュアンスとしては、「もし〜だったら…なのに」となります。

仮定法過去の場合は下記のような形を使います。

(If 主語 動詞の過去形,)主語 助動詞の過去形 動詞の原形.
もし〜だったら…なのに

※if節と一緒に使われることが多いが、なくても成り立つ

例.
If I had a lot of money, I could do anything. もしお金がたくさんあれば、何でもできるのになぁ。

ここで注意点としては、if節においてbe動詞を使う時は主語が何であれ必ずwereを使うということです。

例.
If I were you, I would buy this one. もし俺があんたなら、これを買うがね。

これも「そういうものだ」と理解して文章ごと覚えておきましょう。

仮定法過去完了とは

さて、いよいよ仮定法過去完了です。

仮定法過去完了とは、過去の事実と異なることを仮定して述べる表現です。
つまり、実際にはそうしなかった、できなかったけれども、仮にそうしていれば、ということを述べる表現です。

(If 主語 had 過去分詞,)主語 would have 過去分詞 〜しただろう

(If 主語 had 過去分詞,)主語 should have 過去分詞 〜すべきだったのに

(If 主語 had 過去分詞,)主語 could have 過去分詞 〜できたのに

※if節と一緒に使われることが多いが、なくても成り立つ

例.
I should have done that! ああすべきだったのに!

If you had left earlier, you wouldn’t have missed the train. もう少し早く出ていれば、電車を乗り過ごしたこともなかっただろうに。

さて、善逸の言ったwho would have guessed 〜?について考えてみましょう。

疑問形となっていますので、ちょっと考えやすくするために普通の文に直してみましょう。

Someone would have guessed 〜. 誰かが〜だと予想しただろう。(でもしなかった)

これを、誰も予想できなかったために、「誰が〜だと予想しただろうか?」と疑問形にしたのが who would have guessed 〜?で「夢にも思わなかった」という意味になります。

いかがでしたでしょうか?

今回は仮定法過去完了の表現と併せて仮定法の表現をまとめてみました。

会話の中で仮定法の表現を作ろうと思った時、文法に気を配って頭の中で文章を組み立てるのはなかなか難しいですよね。

なので、こういったアニメのセリフを丸々覚えておいて、英語を英語のまま話せるようにするのが近道かもしれませんね。

みなさんも是非本編をご覧になってみてください!

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