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「メタい」を英語で言うと「Break the fourth wall=第四の壁を壊す」!?

アニメや漫画を見ていると「メタい」や「メタ発言」といった単語に出くわすことがありますね。

メタい

「メタフィクション(metafiction)」の略で、フィクションの語り手やキャラクターが、自分たちがフィクションの中にいることを自覚すること。
具体的には以下のような発言や演出がある。

・登場人物が読者しか知り得ないような内容を発言すること。
例)「今日は最終回なんだから茶番劇をしている暇はないぞ!」
・登場人物が視聴者に語りかけること。
例)「画面の前のみんなもそう思うだろ?」
・登場人物が作り手の事情を説明すること。
例)「制作費がなかったから今日の背景は白黒よ!」

もともとがmetafictionという英語から来ており、意味も上記とほぼ同じようなものなので、英語でもこの単語を使って表現することが可能です。

例. This work contains a element of metafiction.

また形容詞であるmetafictionalという単語を使うこともできます。

例. This is a metafictional work.

しかし、今回は同様に「メタい」演出のことを表現することができる「break the fourth wall」という言葉をご紹介します。

ハナ
ハナ
Break the fourth wall??
直訳すると「第四の壁を壊す」??
「メタい」と全く繋がりがない気が…
リン
リン
そう思うかもしれないけど、語源を知れば納得すること間違いなし!!

いったいなぜそのような意味になるのでしょうか?

break the fourth wall の語源

この呼び名の起源は19世紀の西洋演劇界だと言われています。

演劇の舞台を思い浮かべてみてください。

演者たちは、
・舞台奥の後方の壁
・上手側の壁(観客から見て右手)
・下手側の壁(観客から見て左手)
という実際に存在する三つの壁に囲まれています。

そして正面には観客席があるわけですが、演者たちはその観客たちは見えないものとしてキャラクターを演じ、虚構の世界を演出しますね。
観客たちは、舞台の上の閉じられた世界を覗き見するようにして虚構の世界を味わうわけです。

この時、ステージと観客席の間には、あたかも見えない仮想の壁があるように感じられます
これを「第四の壁 = Fourth wall」と呼ぶのです。
批評家のビンセント・キャンビーは1987年に第四の壁のことを「観客と舞台を永遠に隔てる透明な幕」と表現したそうです。なるほど、言い得て妙ですね。

「第四の壁」は演者たちが認識できないという、ある種、舞台上の暗黙のルールです。このルールが破られない限り、舞台上の虚構の世界は閉じられた世界として守られ、舞台上ではリアルであり続けます。

しかし、一種の演出として演者たちが「自分たちが観客に見られていることを自覚する」というものがあります。つまり、舞台上の暗黙のルールを破って第四の壁の存在に気づくのです。
このような演出のことを「第四の壁を壊す = Break the fourth wall」と表現します。

演劇での代表的な「第四の壁を壊す」演出としては以下のようなものが挙げられます。
・演者が観客に呼びかける
・演者が道具係のスタッフなどとやり取りする
・演者が役を演じるのをやめて素の振る舞いをする

リン
リン
歌舞伎の世界では観客を地蔵に見立てていじる演出があるらしいけど、これも一種の「第四の壁を壊す演出」ね
ハナ
ハナ
そう考えると「メタい」も歴史が深いな!

このような演出は、日本では上述した「メタい」として分類できるかと思います。

このようにもともとは演劇から発生した言葉でしたが、「第四の壁を壊す」演出は映画やドラマやアニメなど、映像作品全般にも用いられるようになりました。

break the fourth wall の実例

アメリカでは「break the fourth wall」の代名詞となっているキャラクターが存在します。

Deadpool

マーベルコミックのスーパーヒーローの1人である「Deadpool(デッドプール)」。
現代映画のBreak the fourth wallの代名詞と言っても過言ではないくらい、その映画はメタい演出が詰まっています。

映画の中では以下のように、主人公デッドプールがカメラの向こう側に頻繁に語りかけます。

実は映画だけではなく、原作の漫画の頃から読者に語りかける演出を頻繁に使っていたみたいですね。
以下の漫画のセリフでは自ら「Fourth wall」について言及しています。


デッドプール「傭兵でミュータントでいたずらの女主人、その名もドミノ!」
ドミノ「なにそれ?」
デッドプール「まとめのページだよ。読者に説明してんの。」
ドミノ「読者…?」
デッドプール「第四の壁的なことだよ。そんな神経質にならずに流れに身を任せろよ。」

また、以下のような「Deadpool Breaking the Fourth Wall」という商品名でフィギュアも発売されています。

デッドプール ブレイキング・ザ・フォースウォール ノンスケール ABS&PVC製 塗装済み完成品フィギュア

キャラクター自体が「第四の壁を壊す」という存在として作られているように感じますね。

いかがでしたか?
このように「メタい」演出については、「break the fourth wall」を使った表現をすることで知的でスマートな感じを演出することができます。

ぜひ使ってみてください!

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