アニメ

【バイク好き必見】アニメ「スーパーカブ」からバイクにまつわる英語表現を学ぼう!

©Tone Koken,hiro/ベアモータース

普段バイクに乗っている方に質問です。「ギヤを入れる」って英語でどう言うかご存知でしょうか?

こういったバイクにまつわる表現というのは学校やビジネスの現場でもなかなか出てこないので意外と何と言ったらいいか分からないものですよね。
しかし、バイク好きな方でしたらいざという時の雑談のために話せるようにしておきたいものです。

さて、そんな方のためにピッタリの英語教材があります。それは2021年に放送されたアニメ「スーパーカブ」の北米版Blu-rayです。

なんの取り柄もないと思っていた内気でおとなしい高校生の女の子が、スーパーカブと出会ったことによって少しずつ変化していく様子を描いた作品となっています。
カブに乗ったことのないライダーでも、主人公が初めてバイクに乗った際に味わう感動や、初心者ならではの苦労を描いたシーンを見ればエモい感情に襲われること間違いなしです。

(実を言うと私も現在進行系でスーパーカブ110に乗っています!)

さて、この作品の英語版では、バイクにまつわる表現を印象的なセリフとともに楽しく学ぶことができます。

今回はその中から一部抜粋して紹介してみます。
バイクについて英語で語る際の参考にしてみてください!

オイル交換

まずはバイクや自動車に乗るためには欠かすことのできない整備である「オイル交換」にまつわる表現です。

©Tone Koken,hiro/ベアモータース
『Super Cub』第1話より

※英語は吹き替え音声より。日本語は意訳。

バイク屋
バイク屋
You should bring it back for an oil change once you’ve ridden a hundred kilometers.
100km乗ったらオイル交換のために持ってきなさい。

That’s especially important for keeping the engine in shape on a used one like this.
特にこういう中古のバイクのエンジンを正常に保つためには大事なことなんだ。

オイル交換なんですが普通に「oil change」と表現することができます。
Once you’ve ridden a hundred kilometersonceですが、ここでは接続詞として働いており「ひとたび〜すると、〜してしまえば」という意味があります。
普通だったら新車の場合は1000km、それからは3000kmごとに交換するのが一般的ですが、子熊のスーパーカブは中古の年代物のためにまずは100kmで交換するみたいですね。

オイル交換の重要性について、バイク屋の親父さんは「keeping the engine in shape = エンジンを正常な状態に保つ」と表現していますね。
in shape正常な状態、良い調子を表す表現で、機械だけでなく人間の体にも使うことができます。

オイル交換は非常に重要な整備で、怠るとエンジンを壊してしまうので忘れずに実施するようにしましょう!

エンジンスタート時の動作

続いて、小熊がスーパーカブに初めて乗った時にバイク屋のおじさんに教えてもらったエンジンスタート時の一連の動作です。

©Tone Koken,hiro/ベアモータース
『Super Cub』第1話より

※英語は吹き替え音声より。日本語は意訳。

バイク屋
バイク屋
First, you wanna release the handlebar lock, turn the key to on, and just give the pedal a good kick.
まず、ハンドルバーロックを解除して、キーをオンにして、それからペダルをしっかりとキックする。

バイクにもよりますが、盗難されにくくするためにハンドルバーロックがかかるものがあります。乗車する際にはこれを解除する必要があるわけですが、「release the handlebar lock」と表現されています。

そして次に「turn the key to on=キーをオンにする」必要があります。「turn the key」で「鍵をまわす=鍵をかける」という意味で、ここではオンにするということを強調させるために「turn the key to on」という言い回しになっています。

最後にキーをまわして電源をオンにしてエンジンをかけるわけですが、ここではキックでかける場合で説明されています。
give A B = AにBを与える」という形を使い「just give the pedal a good kick=ペダルに良いキックを与える→ペダルをしっかりとキックする」と表現しています。

ギヤを入れる

次は「ギヤを入れる」という表現です。

©Tone Koken,hiro/ベアモータース
『Super Cub』第1話より

※英語は吹き替え音声より。日本語は意訳。

小熊
小熊
Then put it in the gear.
それからギヤを入れる。

ギヤを入れる」は「put it in the gear」と表現することができます。
ここでitと言っているのはバイクのことを指しています。なのでput the motorcycle in the gearでも通じますが、長い上に分かりきったことなので代名詞でも大丈夫です。
ギヤの中でも「1速に入れる」など限定して言いたいときは「put it in the 1st gear」と言いましょう。

ちなみにスーパーカブはロータリー式の変速方式を採用しているので、ギヤチェンジの際にクラッチレバーを握る必要はありません!

エンジンをかける

続いて「エンジンをかける」という表現です。

スーパーカブに乗りたての小熊が外出先でいきなり「エンジンがかからない」というトラブルに遭遇し、マニュアルを参照します。

©Tone Koken,hiro/ベアモータース
『Super Cub』第1話より

※英語は吹き替え音声より。日本語は意訳。

小熊
小熊
When the engine won’t turn over…
エンジンがかからないときは…

ここでは「turn over」という表現が使われていますね。
the/an engine turn overで「エンジンをかける」という表現になります。
またturn overには「ひっくり返す」や「めくる」という表現もあります。

turn overという表現を使う場合には主語がエンジンとなります。
エンジンを後ろに持ってきてturn over the engineとすると「エンジンをひっくり返す」という全く違う意味になるので注意です!

「私がエンジンをかける」のように主語に人物などを持ってきたい場合には「I start the engine.」のようにstart the engineという表現を使いましょう。

給油

次は「給油」に関する表現です。
小熊にとっては初めての給油なので、マニュアルを見ながら恐る恐る行います。

©Tone Koken,hiro/ベアモータース
『Super Cub』第1話より

※英語は吹き替え音声より。日本語は意訳。

小熊
小熊
Unscrew the gas cap from the fuel inlet.
ガソリンキャップを燃料入口から外す。

Fill the tank with gasoline until the fuel is even with the lower edge of the filler neck.
ガソリンが給油口の低いエッジと同じ高さになるまでガソリンタンクに注ぐ。

まず、「ガソリン」ですが英語では「gasoline」または「gas」と呼ぶのが一般的です。
ただし発音には少し注意が必要で「gasoline」は「ギャソリーン」、「gas」は「ガァス」または「ギャァス」のようになります。
ちなみにイギリスでは「petrol」という呼び方もよく使われます。

燃料を注ぎ込む「燃料入口」は「fuel inlet」と呼びます。
「fuel」という単語ですが、日本語では「フューエル」とカタカナで呼ばれることもありますね。
しかし、英語の発音では「フュール」が正解です。フューエルと言ってもおそらく通じないので気をつけましょう。

キャブレーター

エンジンの供給装置には大きく2種類あり、機械的構造のキャブレーター方式と電子制御のインジェクション方式があります。
最近はほとんどインジェクション方式を採用されており、スーパーカブもまたインジェクション方式となっています。

ここでは、子熊の乗っているスーパーカブが年代物のカブでキャブレーターのモデル=キャブ車なので、カブ愛の強い礼子が目を光らせているというシーンです。

©Tone Koken,hiro/ベアモータース
『Super Cub』第2話より

※英語は吹き替え音声より。日本語は意訳。

礼子
礼子
That’s one of the nicest carburetor models!
これはキャブ車の中でも最高の1つね!

キャブレーター」を英語でいうと「carburetor」になります。
「なんだ、そのままじゃん」と思われそうですが、注意すべきは発音です。
「carburetor」はカタカナで書くと「カーブレイター」のような感じになります。
アメリカでもイギリスでも「キャ」とは絶対言わないので、むしろなんで日本では「キャブレーター」で広まったのか不思議です。

カスタム/改造

バイクは自動車に比べると構造がシンプルで部品も少ないので、カスタム/改造を加えている方も多いのではないでしょうか。

ここではカスタム/改造に関する2つの表現を紹介してみます。

©Tone Koken,hiro/ベアモータース
『Super Cub』第2話より

※英語は吹き替え音声より。日本語は意訳。

礼子
礼子
I’ve done some work on it since I got it.
手に入れてからいくつか手を加えてるの。

So it’s way faster than you would think.
だからあなたが思うよりずっと速いわよ。

©Tone Koken,hiro/ベアモータース
『Super Cub』第5話より

※英語は吹き替え音声より。日本語は意訳。

礼子
礼子
Of course, We got to mod your engine.
もちろん、あなたのエンジンも改造しなくちゃね。

1つ目は「have done some work on it」という表現です。これは現在完了系になっていますが、現在形で書くと「do some work on it」です。
ここでのworkは名詞として働いており、作業を意味しています。
つまり、「いくつかの作業をそれ(バイク)に施している」という言い回しでカスタムや改造を表現しています。

2つ目は「mod an engine」という表現です。
modはmodifyの短縮形で、「改造する」という意味があります。

他には「remodel」という単語でも、改造を表現することができます。

(機械の)調子が良い

バイクに乗っていると「今日は調子が良いな!」と思う時があるのではないでしょうか?
そんな時に使える表現を紹介します。

©Tone Koken,hiro/ベアモータース
『Super Cub』第5話より

※英語は吹き替え音声より。日本語は意訳。

礼子
礼子
The electrical fuel system is on point!
燃料の電気系統も完璧!

on point」は「絶好調、完璧」という意味があり、perfectとほとんど同じ意味と捉えて良い表現です。
また、完璧という意味合いから「イケてる」「カッコいい」のような意味合いもあり、相手を褒める場合にも使えます。
例えば「Your outfit is on point! = イカした服装してるね!」のような感じです。

最後に…

ここまでバイクにまつわる実用的な表現を紹介してきましたが、最後に個人的に好きなセリフを紹介しておきます。

カブ仲間である礼子と小熊が、カブに座ってランチをとっているシーンで、礼子が発した言葉です。

©Tone Koken,hiro/ベアモータース
『Super Cub』第2話より

※英語は吹き替え音声より。日本語は意訳。

礼子
礼子
I love sitting on my cub like this.
こうやってカブに座っているのが大好き。

Even standing perfectly still, it feels like I can go wherever I want.
No matter how far away it is.
たとえじっとしていても、どこまでだって行ける気がする。それがどんなに遠いところでもね。

このセリフを聞くと、自分もまたバイクで遠くに出かけて旅してみたくなります。

このように北米版「スーパーカブ」では、バイクにまつわる英語表現を楽しみながら学ぶことができます。

カブに乗られていない方でも、バイクに乗り出した頃のワクワクや不安感を呼び起こしてくれる作品なので、ぜひご覧になってみてください!