仏教や神道の文化が色濃く残る日本において「魔除け/御札/お守り」はとても身近なものですね。
さて、これらの言葉を英語で言うとどうなるのでしょうか?
実はこれらの単語を一言で表す便利な英単語としてtalismanというものがあります。
そして日本だけでなく世界中で大人気の作品である「呪術廻戦」の英語版には、この言葉が頻繁に登場します。
今回は北米版「呪術廻戦」のアニメの実際のシーンより引用し、紹介してみます。
talismanの解説と実際のシーン紹介
前述したようにtalismanは「魔除け/御札/お守り」などの意味をまとめて表すことができます。
(そもそもキリスト教などには御札のようなものはありませんが…)
英英辞典には下記のように記載されています。
talisman
an object believed to bring good luck or to keep its owner safe from harm
持ち主に幸運を招いたり、有害なものから守ってくれると信じられている物体
語源を遡ると古代ギリシャ語のtelesmaという言葉で「完了、宗教的儀式、支払い」を意味する言葉のようです。
ちなみに海外の無料画像素材サイトでtalismanと検索してみると以下のような画像がたくさん出てきます。

これは「ドリームキャッチャー」と呼ばれる悪夢を捉えてくれると信じられている魔除けです。もともとはアメリカ北部の少数民族で行われていた文化でした。
これもtalismanと呼ぶことができます。
それでは呪術廻戦の実際のシーンから紹介してみます。
「魔除け」としての意味、「御札」としての意味で使われている2つのシーンを紹介します。
「魔除け」として使われているシーン
北米版「呪術廻戦」1話より
※英語吹き替え音声より。日本語は原文のセリフのまま。

『Jujutsu Kaisen – Part 1』より
辛酸、後悔、恥辱。
These emotions of mankind become the source of curses.
人間の負の感情が呪いの源となる。
That’s why most schools secretly keep a cursed object to serve as a protective talisman.
だから多くの学校などに魔除けとしての呪物を密かに置いていた。
hardship
[名詞] 辛酸、困難、苦労
mankind
[名詞] 人間、人類
curse
[名詞] 呪い
serve as ~
~として作用する、~として働く、~の役目を務める
protective talisman
保護するための魔除け
※a cursed object to serve as a protective talisman = 保護するための魔除けとして作用する呪物
ここではprotectiveとつけて「(学校を)保護するためのtalisman」だと強調しています
「御札」として使われているシーン
北米版「呪術廻戦」1話より
※英語字幕より。日本語は原文のセリフのまま。

『Jujutsu Kaisen – Part 1』より
御札ってそんな簡単に取れんの?
いや、呪力のない人間にはまず無理だ。普通はな。
その他の「魔除け/御札/お守り」を表す単語
上記のように呪術廻戦ではtalismanという単語が使われていますが、他にも似たような単語が存在します。
amulet と charm です。
amulet
an object worn because it is believed to protect against evil, disease, or unhappiness
身につける物体で邪悪なものや病気、不幸なものから守る効果があると信じられているもの
上記のようにamuletは基本的に、邪悪なものを追い払う効果のあるものです。
「魔除け」や「御札」の意味に近いかもしれませんが、場合によっては「お守り」のことを指すこともあるかと思います。
charm
an object or saying that is thought to have magical powers, such as the ability to bring good luck
幸運を呼び寄せるなど不思議な力があると言われている物体
一方、charmは幸運を呼び寄せるなど不思議な力があるとされるものです。
こちらは「お守り」のことを指すと考えてよいでしょう。
以上をまとめると以下のようになりそうです。
talisman…邪悪なものを追い払ったり、幸運をもたらす効果のあるものどちらも指す
amulet…邪悪なものを追い払う効果のあるもの
charm…幸運をもたらす効果のあるもの
ただ、実際は定義が曖昧だったり、しっかり使い分けられていない場面も多いかと思います。
細かく気にする必要はないと思いますが、必要な場合は補足説明を加えるなどすれば良いでしょう。
