「(雰囲気が)ゆるい」や「のろのろしている」、または「怠けている」ことを表す英語で「sluggish」というものがあります。
さて、実はこの単語とイメージの近い生き物がいるのですが、もしかするとそれが語源となっているのでしょうか?
今回はこのsluggishの使い方と、その語源を、実際のアニメのシーン出てくる会話をもとに紹介してみます。
「ゆるい」「のろのろした」を意味する「sluggish」
ではまずは実際のシーンで、その使われ方を確認してみましょう。
今回の引用元はアニメ『がっこうぐらし!』の英語版『School-Live』の第1話からです。
主人公「ゆき」とその後輩「みーくん」の会話です。
みーくんは彼女たちが飼っている犬からなかなか懐かれません。ゆきは、みーくんのまとっている近づきがたいオーラが怖がらせているんじゃないかと伝えます。
※英語字幕より。日本語版は意訳。
© Nitroplus/海法紀光・千葉サドル・芳文社/がっこうぐらし!製作委員会 『School-Live』より引用
怖がっているって…その…みーくんがまとっている『私は何でもできます』っていうオーラが原因かもね?
なるほど。
I don’t have that sluggish aura that surrounds you, Yuki-senpai.
私はゆき先輩みたいにゆるいオーラをまとっていませんからね。
そうそう、私みたいなゆるいオーラが…
Hey! That’s not right!
って、そんなことないよ!
be scared of〜
〜を怖がる
surround
[動詞(人や物を)取り囲む
「sluggish」は形容詞で「動きののろい」「のろのろした」「怠惰な」などを意味する単語です。
英英辞典には下記のように説明されています。
moving or operating more slowly than usual and with less energy or power
動きや作用が普通よりも力やエネルギーがなく、ゆっくりであること。
さて『がっこうぐらし!』のシーンでは、「sluggish aura」のところの日本語原文は「ゆるいオーラ」となっています。
英英辞典の定義を見ると、日本語でいう「(雰囲気が)ゆるい」も力やエネルギーがなくゆっくりしているというイメージなので「sluggish」と表現しても問題ないかと思います。
ただ、同時に怠けているという意味も持っており、ネガティブなイメージではあるので使う際は注意しましょう。
例文
I’m being sluggish today.
今日はずっとだらだらしている。
I think he is a kind of sluggish man.
彼は怠惰な男だと思う。
He was as sluggish as usual.
彼はいつもどおり元気がなさそうだった。
また、「不景気な」という意味で使われることもあります。
不景気という状態も「動きや作用が普通よりもエネルギーがない」ことなので、英英辞典の定義からは離れていないですね。
言葉の定義のイメージをしっかり抑えていれば、使用する時に色々と応用することができるので大事です。
例文
The economy is sluggish in recent years.
景気がここ数年低迷している。
The housing market has been very sluggish these past few years.
住宅市場はここ数年ずっと不景気だ。
「なめくじ」を意味する「slug」
さて、「sluggish」のイメージと近い生き物を表す単語があります。
「slug」という単語で「なめくじ」を表します。
ついでに「slug」という単語が使われるシーンも見ておきましょう。
『美少女戦士セーラームーン』の英語版『Sailor Moon』の36話からです。
「ミツアミ」という名の妖魔と主人公うさぎの会話です。
ミツアミは美容師をモチーフとした怪物で、ドライヤーを武器として使って物を溶かすことができます。
©武内直子・PNP・講談社・東映アニメーション『Sailor Moon Season 1 Part 2』より引用
月に代わっておしおきよ!
ハッ!自分から飛び込んできたわね。
Just like a slug jumping into salt.
まるで塩に飛び込むなめくじのようね。
なめくじは塩で溶ける!
私の名はミツアミ、あなたをどろどろに溶かしてあげるわ!
dissolve
[動詞] 溶ける、分解する
goo
[名詞] (水飴のように)べとべと・どろどろしたもの
ちなみに「Just like a slug jumping into salt.」は英語のことわざのように聞こえますが、妖魔のミツアミが勝手に考えた文章なので、人に言っても「?」となるので注意してください(笑)
さて、-ishというのは名詞の単語の後ろにくっつけることによって、その単語を形容詞的に使うことができるようになります。くっつくことによって「〜っぽい」のような意味を持つようになります。
child(子供)のあとについてchildish(子供っぽい)、boy(男の子)のあとについてboyish(男の子っぽい)などです。
これを考えると、slug(なめくじ)のあとにishをつけてsluggish(なめくじっぽい→のろのろした/怠けている)というのは納得できそうですよね?
slugが語源となっているのでしょうか?
結論を言うと、「slug」と「sluggish」は共に中世英語の『slugge』という「怠け者」を意味していた単語を語源としているようです。
sluggish
mid-15c., from Middle English slugge “lazy person” + -ish.
ちなみに現代では「sluggard=怠け者」という単語がありますが、この単語も語源は一緒のようです。
なめくじのイメージからsluggish(のろのろした/怠けている)が生まれたわけではなく、怠け者のイメージからslug(なめくじ)が生まれたんですね。
そう考えるとなめくじにとってみれば「失礼な!」と怒ってもいい案件かもしれません(笑)
英語版のアニメやゲーム、ドラマや映画で学習することによって、多くの単語や表現を学ぶことができます。
ぜひ挑戦してみてください!


