「調子に乗るな!」や「図に乗るな!」「生意気になるな」「いい気になるな」など漫画やアニメの世界ではよく聞く表現ですね。
なかなか実際に使う機会はないというか、できればそのような状況に出くわしたくないものですが(笑)、このような相手をたしなめる時に使う言葉の英語での表現をご紹介します。
今回はアニメ、ハンターハンターの北米版より、2つの表現をご紹介します。
Don’t get cocky.
まずは「ハンターハンター」126話に登場するDon’t get cocky.という表現からです。
キメラアントの王「メルエム」と、ハンター協会会長「ネテロ」の決戦シーンです。
足をもがれたネテロに対し、メルエムは降参するように促しますが、ネテロは自らの力で止血し勝負の継続を挑みます。
※日本語は原文セリフより
誰が死ぬって?
It was one lucky punch, so don’t get cocky.
ラッキーパンチで調子に乗んなよ。
This battle is only beginning!
勝負はこれからだ!
解説
「調子に乗るなよ」という場面で一番よく使われ、覚えやすい表現でもあるのがDon’t get cocky.です。
ハンターハンターの北米版でもよく使われている表現ですし、ほかのアニメの北米版でもたびたび出てくる表現です。
cockyは形容詞で「生意気な」「うぬぼれた」「気取った」という意味の単語です。
例文.
a very cocky young man 非常に生意気な青年
get cockyで「生意気になる」「調子に乗る」「うぬぼれる」という意味合いになります。
Don’t press your luck.
続いて「ハンターハンター」67話より、Don’t press your luck.という表現です。
ゲンスルーがクリア間近ということで、情報交換のために呼び出されたアクティブプレイヤーたち。
その中でキルアたちは唯一ゲンスルーの念能力の情報を知っており、アスタたちはAランクのカードと引き換えに情報を得ようとします。
しかし、キルアはAランクのカードでは釣り合わないので、さらに上のSランクのカードを要求します。
ランクSのカード2枚かこちらと同価値の情報、でなきゃ教えられないね。
調子に乗ってんじゃねーよ、ガキが!
equally
[副詞] 等しく、同様に
valuable
[形容詞] 貴重な、大切な
brat
[名詞] ガキ
解説
ここではDon’t press your luck.と言っていますが、pressの代わりにpushを使って、Don’t push your luck.という場合もあり、どちらも同じ意味です。
何か動かせないものを動かそうとするとき、力任せに押して動かそうとしますよね。
それと同じイメージで、何か思い通りにいかないとき、自分の運を力任せに押して(=press your luck)うまくいかせようとします。
あるいは自分の幸運がこれからも続くように、過去の幸運を前に前に押し続けようとしますね。
しかし、そういった時って、たいていうまくいかずに失敗します。
そういったニュアンスから、Don’t press your luck.は「調子に乗るな」「図に乗るな」など相手をたしなめる意味で使われます。
英英辞典では下記のように説明されています。
push your luck
to try too hard to get a particular result and risk losing what you have achieved
特定の成果を、自分がすでに得られたものを失うリスクをかけて得ようとすること
この説明では、この表現を使う前には、すでに何か良い成果を得ている必要があるようです。
上記ハンターハンターのシーンでは、アスタがキルアに対しAランクのカードを提供しようと持ち掛けているのに、キルアはさらに上のSランクカードを要求しています。まさに上記英英辞典の説明のとおりの状況ですね。